書籍紹介

鉄道技術の日本史 ―SLから、電車、超電導リニアまで―

―鉄道開通から超電導リニアまで150年の鉄道の歴史に魅せられて書かれた書―
 「鉄道技術の日本史」は鉄道史、近代史分野で執筆するも、文系出身の小島英俊氏が初めて鉄道技術分野に挑戦した書です。
当然、技術工学論とは性格を異にしますが、究極の鉄道技術原理が多くの写真や図絵を活用しながら、分かり易く楽しく説明されています。
 世の中が北陸新幹線の開通に湧いているのは喜ばしいことですが、著者はむしろ日立の高速電車のイギリス進出では鉄道の利便性と信頼性の回復を、川崎重工のニューヨーク地下鉄の席捲では安全性と快適性の向上などを彼地にもたらし、かつて日本に鉄道技術を教えてくれた先進国への貢献ができた事を重要なエポックとして捉えています。
 1870年頃より測量土木や木造客貨車製造から始まった日本人の技術習得は目覚ましく、戦後は新幹線を軸に大発展し、今や鉄道先進国として超電導リニアでは独走しています。この150年の鉄道技術史には国際関係や歴史観も豊かに盛り込まれており、新鮮でユニークな書としてお奨めしたい一冊です。

鉄道技術の日本史

著者:小島 英俊
発行:中央公論新社

 目次

  • 第1章 線路を敷かねば汽車は走れない
  • 第2章 鉄がなければ始まらない
  • 第3章 SL製造は先端技術だった
  • 第4章 ディーゼルカーも一時は世界一
  • 第5章 雨後の筍の郊外電車
  • 第6章 電車王国の形成
  • 第7章 新幹線の衝撃
  • 第8章 事故は減ったが用心は大事
  • 第9章 鉄道技術の担い手と新技術
  • 第10章 鉄道の先端技術
  • 第11章 鉄道立国・日本

なお、組合員サイト「JORSAの本棚」にも追加致しました。



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