第10回「InnoTrans 2014」鉄道見本市出展報告
InnoTransとは
イノトランス(InnoTrans)は鉄道産業全般を対象とした鉄道界では世界最大の技術見本市で、2年に1回開催されています。1996年に開始してから今年で10回目の開催となりました。対象は、鉄道車両をはじめ、ディーゼル関連機器、電気機器、インテリア、運行管理、信号、軌道、トンネルまですべての鉄道関連産業を含みます。
イノトランスは毎回メッセベルリンで開催されていますが、これはもともとメッセグラウンドに貨物の引き込み線がありここを鉄道車両の実機展示に使うことができるというメリットがあるためです。今年は9月23日から26日までの4日間開催されました。引き続いて27日(土曜日)と28日(日曜日)がPublic daysとして屋外の車両展示が一般に公開されました。
イノトランスは最初に開催した時から比べると今回で出展企業数は16倍、ビジター数は21倍にも上り、いまや名実ともに世界最大の鉄道メッセとなっています。メッセベルリンすべての建屋を展示場として使用しても足りないほど規模が拡大しており、今回、新たに「City Cube」という建屋を南ゲート側に建設しました。このCity Cubeにイノトランスにとって重要な出展者であるDBを中心とした、ドイツ鉄道産業を配置し、日本からもJR東日本がJ-TRECと共同してこのCity Cubeに出展しました。
JORSA Pavilion
JORSAは前回の2012年でイノトランス史上初めて一か国がホール7.2c全館借り切って出展するという快挙を成し遂げました。今回のイノトランス2014では共同出展者の展示規模拡大の要望により、場所を7.2aに移動して全館JORSAパビリオンとして出展しました。新設のCity Cubeから7.2aにまっすぐの導線ができて、JORSAパビリオンの参観者数は前回より増し、共同出展者ブースへの参観者も多数となり、出展効果は非常に高いものとなりました。
今回のJORSAパビリオンは展示有効面積719㎡に組合員の13社に加えて、東京メトロと鉄道総研が参加し、世界に向けて日本の各種鉄道技術、優秀な産業について情報発信しました。
やはり、全館を日本企業だけで占めるということで一体感を出すことにより、集客力はますます高まりました。
《ホール7-2Aレイアウト図 参照》
イベント
今回も前回以上にバージョンアップして、和服コンパニオンによる茶道と日舞を実演し、寿司職人の握る寿司をサービスするなど、日本文化の発信にも努めました。日本の信頼性高い優秀な鉄道技術のバックグランドである日本文化の発信は大変好評でした。
また、今回も共同出展者によるサイトセミナーを実施し、日本全体としての情報発信を強化することができました。
JAPAN-DAYレセプション
前回に引き続き、同出展者が自社の関係先を招待し交流を深めるとともに、日本の業界内でも交流を深めるという目的でJAPAN-DAYレセプションを開催しました。JORSAパビリオン関係者や日本からの参観者、他の日本出展者、海外のメーカー等関係先合わせて推定で1,500人を超える参加者があり、大盛況でした。
レセプションには在ドイツ中根特命全権大使、経済産業省、国土交通省からも挨拶をいただきました。
JORSA Pavillion(719m2) 共同出展者 展示ブース
<JORSAパビリオン 受付>
<JORSAパビリオン内>
【会場内 動画1】
【会場内 動画2】
<公益財団法人鉄道総合技術研究所>
<東京メトロ>
<近鉄車両エンジニアリング>
<京三製作所>
<三菱電機>
<三井物産プラントシステム>
<ナブテスコ>
<日本車輌製造><新日鐵住金>
<住友商事>
<大誠テクノ>
<近畿車輛>
<日本信号>
<東洋電機製造>
<ヤシマキザイ>
JORSA組合員 単独出展社ブース
<富士電機>
<日立製作所>
<総合車両製作所>
<川崎重工業>
<東芝>
InnoTrans全体概要
InnoTransは拡大を続けています。今回は展示需要を満たすため「City Cube」という新しい展示ホールを南エントランス横に建設し、ここにDBやJR東日本が出展しました。レールを使った車両展示も毎回増加しており、前回2012年の車両数115両から、今回は145両にまで増加しました。
今回の出展者総数は55か国から2,758社の出展で前回と比べ10%増、入場者(Trade visitor)は10%増の146か国以上138,872人でした。
いわゆるビッグ3をはじめとするヨーロッパメーカーは野外展示場に最新型の実車を展示し、テント張りのブースを設け参観者との交流を図っており、日本では想像もつかないような展示でした。屋内でも広いラウンジを設け、飲食を用意して大変華やかな商談・交流の場を設けていました。
InnoTransは回を重ねるごとに規模が拡大し、国際性の非常に高い展示会となっています。次回2016年も日本から出展しますので、2年後も是非お越しください。来場をお待ちしております。