書籍紹介
鉄道の「鉄」学 -車両と軌道を支える金属材料のお話-
鉄道技術の発達を支えてきた金属材料の技術と歴史を語る書
鉄道関係技術者にとって材料の変遷を辿る一助となり、また、鉄道ファンには「材鉄」発掘のガイドともなる一冊です。
「鉄道」ということばは、ほかの交通システムにはない金属元素名「鉄」が含まれております。レールは鉄の道そのものといえますが、産業革命の時代、鉄の馬といわれた蒸気機関車が時代を推進する足として活躍します。それに伴い、レールがどんどん拡大して「鉄」を大量消費するようになり、「鉄」を通して鉄道技術の進歩が垣間見られるようになりました。
欧米の先進技術を急速に導入した明治以降の日本では、鉄道と製鉄所がまさに産業の要で、車両だけでなく、鉄道橋やトンネルなどの土木分野でも需要が広がっていきました。
本書は、鉄道に関わる材料のうち、鉄道車両および軌道を構成している要素技術としてもっとも重要な金属材料について、それぞれの機器・部材・構造物ごとに、開発の歴史と技術変遷、特徴などを解説します。本書で扱う要素技術は車体、台車、車輪、車軸、軸受、ばね、駆動装置、ブレーキ、集電、軌道、鉄道橋です。
さまざまな試行錯誤の中で培われた鉄道材料技術のノウハウは、戦前・戦後と受け継がれて現在に至っていますが、それらの情報は色あせることはなく、鉄道に携わるエンジニアの基礎知識として、また鉄道ファンのテクニカルな話題の拠り所にしてぜひお奨めしたい一冊です。
編者:松山 晋作
発行:株式会社オーム社
目次
1章 車体
2章 台車
3章 車輪
4章 車軸
5章 軸受
6章 ばね
7章 駆動装置
8章 ブレーキ
9章 集電
10章 軌道
11章 鉄道橋
なお、組合員サイト「JORSAの本棚」にも追加致しました。